有限会社 テイエステクノ

旭川で唯一、道内でも珍しい建築用コンクリート製品の型枠を製造・販売する有限会社テイエステクノ。そこから生まれる製品は日本中の特徴的な建築物に使用されています。

専門的な業種の中でも、さらに専門性の高い仕事

—代表取締役の杉本忠良さん、業務部長の石山道夫さんにお話を伺いました。

弊社の仕事は建築・土木用コンクリート製品の型枠製品製造販売です。簡単に言うとコンクリートを流し込み、製品を作るための型枠を作る仕事です。弊社では型枠のみを作り、千歳や石狩にあるコンクリートメーカーに納めています。そこで型枠にコンクリートを流し込み、製品を作り、船で建設現場へ運ばれるという流れです。
平成4年に前身の会社が、お客様の要望に応えるために子会社として型枠事業を開始したのが始まりです。その後会社が他社との合併により事業を縮小する際、型枠事業を廃止しようとしていたのですが、お客様から辞めないでほしいとの要望が多かったため、そこから独立し、平成17年6月、創業に至りました。職員数は全体で10名、うち設計は2名、制作が7名で業務にあたっています。

年によって違いますが、だいたい売り上げの7割を建築用材の型枠制作が占めており、土木用より建築用の型枠制作が多いのは弊社の特徴と言えますね。
土木用というと出来上がる製品は歩道の縁石やトラフ（地中にあるU字型のコンクリート材。水を通す為のもの）などです。一方、建築用となるとビルの梁や柱、壁などのコンクリート材を作るための型を作る仕事になります。マンションやビルなどは、壁面にコンクリートのパネルを貼ったりと、プラモデルの部品をつなぎ合わせるように造っていく側面がありますが、弊社ではその各部品を作るための型を作っていくわけです。
弊社の型枠から生まれた製品は、札幌の高層タワーやデパート・高層マンション、旭川市内では、シティホテルや官公庁の施設の壁などに使われており、通りから見る事が出来ます。最近はオリンピック関係や復興関係の発注が多いですね。本州の仕事を受ける事で年中通して仕事がある状態を維持しています。

想像力が大切です

—御社では設計から行うのですね。

一つ一つ毎回形が違うので、ほとんどがオーダーメイドのモノづくりです。お客様からコンクリート製品の製品図（寸法や完成図などが描かれたもの）が送られてきます。そこに外枠を肉付けしていくように設計図を起こしていく必要がありますから、出来上がる完成品と逆のモノを作る想像力が大切になってきます。また、コンクリートが固まった後には、型は外せなくてはなりません。お客様が簡単に外せるように設計をする事も重要です。基本的には一つの型枠を何回も使用し同じものを量産しますが、効率化を図るため、時には微妙に寸法の違うコンクリート製品を一つの型枠で作る事ができるよう、幅を変えられる型枠を作る事もあります。その場合は一部を可動式にしたり、なかなか工夫がいるんですよ。
設計の次は材料加工です。基本的にはレーザー加工機に設計データを送信し、材料となる板を自動で切り抜き、それを工場職員が手作業で溶接する等して組立てていきます。
大がかりな設備が必要になるため、弊社内で型枠にコンクリートを流し込むテストはできません。開業当初は設計など苦労していた部分もありましたが、コンクリートメーカーとのやり取りの中で、軽量化やコストダウンを図ることができるようになりました。時々は打設の時に立ち合い、実際に使うコンクリートメーカーの方の話を聞き改善していくようにしています。

業界では珍しく、人目に触れやすい仕事

—普段から心がけていることは何ですか？

当たり前の事ですが、綺麗さと精度には気をつけています。型枠を綺麗に作らないと、出来上がるコンクリート製品の質感、ひいては建物の出来栄えにも影響しますからね。
また、物によっては同じ型で作った製品を数百個・数百メートルと繋いでいくので、ミリ単位の誤差が大きなズレに繋がってきますから、精度もとても重要なんです。

—どんなところにやりがいを感じる仕事でしょうか？

設計図から、一から作り上げる、モノづくりの喜びがあります。
また、コンクリート製品の型枠を作る会社というと土木用を作っているところがほとんどで、建築用をメインにしている会社は業界でも稀です。なにせ作るのは「型」のみですから、目に見えない裏方の技術屋である事に違いありませんが、建築用の製品は、最終的に出来上がった物が人目に触れやすいという点で大きく異なります。製品を街で目にする機会が多くなると携わった仕事に実感が湧き、喜びを感じることができますし、家族や友人・知人にも「あれを作る型を作ったんだよ」と説明し易いのも良いですね。

希少な技術を継承していきたい

—どんな方を募集していますか？

現在は、工場製造職員・設計職員を募集しています。設計志望の方もいきなりでは勝手が解かりませんので、まずは工場でどういったものを作るかを学んでいき、ゆくゆくは設計にも従事できるようになってもらいたいです。
前もって特殊な技術や資格は求めません。経験も不問で、必要な資格は入社してから会社で費用を負担し取得してもらいます。機械・工業系の学校卒に限らず、幅広く募集しています。私も普通科を卒業し入社後に溶接から始めて、営業、設計と徐々に覚えてきました。
性格的にはキッチリと精度を追及していく気持ちがある人が向いていると思います。現在40代より上の職員しかおらず、後継技術者を増やしていきたいと考えおり、あせらず長いスパンで技術を身に付けてもらいたいので、若い方に来てもらえたら嬉しいですね。

—応募を検討している方にメッセージをお願いします。

面白く、とてもやりがいのある仕事です。道内でも数少なく、旭川市内でも建築用材の型枠をつくっているのは弊社だけです。私たちと楽しく一緒に働きながら、希少な技術を身に着けませんか？是非ご応募ください！