株式会社オーシャン

進化し続ける老舗、株式会社オーシャン。未来を開拓したい社員がチャレンジしやすい環境を整え、その人の人生の目標を一緒に立てそれと向き合っています。

自ら外に出ていくことが大事

—代表取締役 井上雅之さんにお話を伺いました。

旭川から始まった老舗ラーメン屋「梅光軒」を札幌・東京・千葉・沖縄・シンガポール・台湾・香港などに展開しています。また北海道の食文化をメインに心温まる料理を提供する「北海道スープスタンド」、「ブッフェ＆カフェ OMP」を運営するほか、流通団地の自社オフィス兼食品加工場からは世界に向けて食材を発信しています。

世界で戦える旭川人を育成したい思いがあり、「海外進出は難しいことじゃないよ、北海道から出ることが結果は旭川のためになるんだよ」ということをスピークアウトしていくのがこの会社の役割ではないか、と思っています。
僕自身は学生を終えて一度アメリカに行くことで、旭川という街を俯瞰で見ることができたんですが、その時にこの街の良さだったり、どうしてこういうところで止まってしまうんだろうというネガティブな部分の両方を経験出来たのが大きかったです。
こんなに水も空気もきれいで美味しくて、食べ物も安くて良いものがたくさんあって、都市機能も充実している。こういう良さをより外側に浸透させていくためには、自ら外に出ていくことが大事ですよね。

うちのメンバーは負けない

老舗って、同じことをずっとやり続けて今日に至っていると思われる方もいらっしゃるかと思うんですけども、僕にとっては進化し続けることが老舗の定義なんですね。ぶれない幹を持ちながらも進化していくことが会社にとっても旭川という街にとっても、非常に大事なことなのではないかと思います。
いいものは持っているけど、チャレンジの第一歩がなかなか出なかったり、 私は旭川には保守的なところもあると感じています。業界では「旭川で商売できたらどこでもできる」っていうフレーズを耳にする事がありますが、それを僕はバカ正直に信じてチャレンジを始めました。

—梅光軒のラーメンは世界に通用するという自信があったのですか？

ありました。もっと言えば、うちの会社のメンバーは絶対にやれる。この自信です。全世界の梅光軒は今日も開店して営業していますから、それは僕の力なのかというと、違います。そこにいる人の力です。
僕は「うちのメンバーは負けない」という自信がありますし、そういうメンバーに自分も負けたくない。そういう切磋琢磨が将来を築くと思っていて、今やそれは国籍を越えていますから。

社員のチャレンジ精神に応える企業

僕らがしたいのは、夢の提示です。将来どんな風になっていきたいか？それが漠然過ぎるのであれば、一年後でも三年後でもいいので、どんな風になっていたいかというところですね。
「仕事は何時から何時まで、月給はいくらですよ、だからやって下さい」という付き合い方をすると、時間がどれだけで済んで、お金がどれだけもらえるのかっていう二点論点でしか物事が語れなくなる、僕はこれが好きではないんです。会社の意思決定に従わせる方針だと、仕事をしているんではなくて、やらされてる感覚になってしまいがちですよね。

弊社では、その人の人生の目標を一緒に立てて、それと向き合います。その過程で次世代の進化だったり、新しい事業が生まれるんじゃないかと思ってるので、新しいチャレンジはいつでも大歓迎です。
実際に提案や挙手はたくさんあり、そういう人間を求めていますし、基本的にはすべて受け入れて任せています。それに応えるために会社としてはできるだけ広い間口を整えようと思っています。女性でも男性でも、若くても年をとっていても、日本人でもそうでなくても。
梅光軒とは別に立ち上げた北海道スープスタンドも、地域の女性雇用を増やすためにはまず会社全体に女性社員を増やそう、そのためには新しい事業をやろうという思いで立ち上げました。
立ち上げから現在に至るまで、女性社員の意見をふんだんに取り入れた事業で、好評をいただいてます。

全員が決議権を持ってます

—どんな方が働いていますか？

現在、台湾店の店長として頑張っている社員はアルバイトから始めて、海外へ行きたいからという理由でうちに就職しました。シンガポール店へ出向して頑張ってくれた後に次はどうしたいか聞いたら、「台湾へ行きたいです」と。当時は台湾に店はなかったんですが、「わかった。約束は守るから頑張れ」と言って、その後に台湾店を開店させ、その社員に向かってもらいました。

この工場の工場長も、入社当初から工場をやりたいと言っていて、「うちはラーメン屋だよ？」と、当時は工場をつくる構想もなかったので、通常どおりに店舗でラーメンを作ってもらっていました。後に事業が拡大して工場をつくる事になった時に、その彼を呼んで「工場長やるか？」「やります！」という経緯です。

お互いに約束を守りあい、ここまでやってきました。気がつけば弊社は、全員が決議権を持っていると言っていい状態です。
例えば、”店舗・オブ・ザ・マンス”という、その月一番頑張った店舗を表彰し、そこの社員さん全員に金一封を出すシステムがあるのですが、その金一封は僕の給料から引くということを、事務員さんが勝手に決めたんですよ（笑）

—社長と社員さん、いい関係ですね。

変な会社ですよ、本当に（笑）。
でも未来を開拓したい人にはうちの会社は非常に向いていると思います。
自由には責任が伴うという意味で厳しさもあると思いますが、そこを乗り越えられるだけの思いがあるのであれば、弊社はチャレンジしやすい環境がある会社だと思います。
最終的には、あるいは良き経営者となって育っていけば地域の雇用もさらに良くなっていくんじゃないのかなと思いながら。そうなれば旭川にUターンや移住をしてくれる人も増えるのではないかと。
「こんな地方に、こんなおもしろい会社があるんだったら、ちょっと働いてみるか」って思ってもらえたら嬉しいですね。

すべての大陸と海は繋がっています。
会社ロゴのシャケは僕らの会社を表しています。シャケは川で生まれて、立派に大きくなったあと最終的にまた卵を産みに生まれた川に戻ってきます。
海外でいろいろチャレンジした後に、笑顔を持って川に戻ってくる。僕らにとってはそこが旭川であってほしいという願いを込めています。